喜びも悲しみも一つひとつが私の誇り
現在は歯科衛生士として働いていますが、以前一度、介護福祉士に転身したことがあります。そんな私が戻ってきた理由。それは、介護の現場でたくさんの方と関わる時、気になるのはやはり「口の中」のことだったから。そこで、訪問歯科診療のあるみずほ会で歯科衛生士をやってみたいと再度の転身を果たしました。実は、20数年のブランクを経て復職したので、当初不安がなかったわけではありません。ですが、そんな不安も杞憂に終わりました。周りのサポートや仲間に支えられたおかげで、すぐに職場になじむことができたのでありがたかったです。みんなパワフルでとても楽しい職場です。
訪問歯科診療の魅力は、「人とのふれあいが密にできる」こと。だからこそ、私たちの不安は患者さまにも伝わってしまいます。訪問歯科診療という職場で働くことに不安を抱く方もいるかもしれませんが、自分がしっかりと納得できるまで先輩に同行し、学べるので安心してほしいですね。
訪問先は介護現場が多く、普段は寝たきりの生活で言葉や表情の変化が少ない方もいらっしゃいます。訪問歯科診療を繰り返すうちに、笑顔を浮かべて「また来てね」といってもらえた瞬間は本当に嬉しい。一度はなくした言葉と表情を取り戻し、「自分から誰かと話をする」ということがどれほど素晴らしいことか…。この喜びは何にも変えがたいものがあります。
長くお付き合いするからこそ、喜びもあれば悲しみも数多くあります。笑顔を取り戻す方、徐々に体の状態が悪化していく方、そしてお別れも。その一つひとつと向き合っていくことが私の仕事であり、その一つひとつが私の誇りです。
今でも心に残っている患者さまがいます。普段はちょっぴり暴れん坊。それなのに、妙に大人しく、私の指示をよく聞いてくれる日がありました。それから、3日後に亡くなられたと連絡を受けました。深い悲しみの中、最期に「ありがとう」と言ってもらえたことが本当に嬉しかった。
「風邪ひかんようにね、またくるけんね」「うん、ありがとね」。
訪問歯科診療部はスタッフの数も多く、いざという時にお休みを取れるサポートがしっかりしています。時にはぎっくり腰で休んだことも…。また、お子さまがいらっしゃる方は学校行事などにも参加しやすい環境です。初めは知識がなくても大丈夫。不安要素を残すことなく学ぶことができるので、安心して入社してきてほしいと思います。
